韓国の観光地の宗廟(チョンミョ)

宗廟  (チョンミョ/종묘)
ユネスコ「世界遺産」に認定された、朝鮮時代の歴代王と王妃の神主を祀る霊廟。
朝鮮王朝の息吹を感じる空間へ。
宗廟は朝鮮時代の歴代王と王妃の神主(位牌)を祀って祭祀を行う国家最高の祠堂として、朝鮮初代王太祖(テジョ)によって1395年に創建されました。文禄の役により一度焼失したものの、1608年に再建されました。宗廟文化の起源は中国ですが、朝鮮王朝の宗廟の建築様式は独特で、他の儒教の国の中でも類を見ません。祀る神主の数が増えるたびに増築が繰り返されて現在の姿となりましたが、まるで初めからこのような形であったと思わせるほどの均等美を成しています。宗廟は、その姿が評価され、1995年にはユネスコ「世界遺産」に認定、同じく宗廟で行われる祭礼と祭礼楽においても当時のままの姿が受け継がれてきたことで、2001年に「人類の無形文化遺産の代表リスト」に登録されました。
観覧案内所
<観覧案内所>
車椅子・乳母車貸与
<車椅子・乳母車貸与>
観覧情報
宗廟では、土曜日の自由観覧を除く曜日は、案内解説の時間に合わせて入場する必要があります。

●定休日:火曜日
●観覧所要時間約1時間

日本語 09:00、09:40、10:40、11:40、12:40、13:40、14:40、15:40(3月~9月16:40)
韓国語 09:20、10:20、11:20、12:20、13:20、14:20、15:20、16:20(3月~9月17:00)
英語  10:00、12:00、14:00、16:00
中国語 11:00、15:00
宗廟ガイド
<宗廟ガイド >
ガイドツアーの様子
<ガイドツアーの様子 >

風水と儒教の教えによる建築様式
祠堂は必ず国家の都に建設する必要があったため、朝鮮初代王太祖(テジョ)が1392年に漢陽(ハニャン・現ソウル)を朝鮮の都と定めた後に建築が始まり、3年後に完成しました。宗廟内の全ての建物は歴代王の魂を祀る場所としてふさわしいよう、派手な装飾や技巧は極力節制して単調に造られ、それにより神聖で厳粛な雰囲気を保つことができています。朝鮮第4代王世宗(セジョン)の時には、より多くの風水の気運を取り入れるために、南側には人工造山を造り、小さな丘陵が宗廟の四方を取り囲むようするなどの補足が行われました。また、祭礼の時に雨と雪を防ぐため、建物の両端に直角に折れた東西月廊を設けて、この建築形態を朝鮮で新たに考案した宗廟建築の基本、「朝鮮の法」として定めることにしました。
神主(位牌)について
儒教において死とは魂が肉体から離れることだと考えられています。魂が抜けた肉体はやがて土に帰ると考えられたため埋葬をし、魂の拠り所としての木の神主(位牌)が作られました。神主は故人の象徴であるため、戦争などが起きると安全な場所に移して祀られたといいます。

神路
宗廟の正門(外大門)をくぐると、粗く伸びる薄石が三本道で広がっています。中央の道は少し高く、両側は低くなっています。中央の道は魂が通る神路で、右側は王が通る御路、左側は王世子が通る世子路と呼ばれています。でこぼこの神路は、王をはじめ、祭祀に関わるすべての者たちが早歩きをせず、ゆっくり歩くようにわざと粗く造られたといいます。神路の中心には「魂が通る道なので歩かないでください」と注意書きがされています。
香大庁(ヒャンデチョン)
香大庁は、宗廟祭礼のための準備室として、香庁と執事庁で構成された建物です。香庁では、祭祀の前日に王が宗廟祭礼に使用するために下賜した香・祝文・幣帛・祭祀礼物を保管し、執事庁は、祭祀をつかさどる執事官たちが待機する場所として使用されました。香大庁の南側には恭愍王神堂(コンミンワン シンダン)がありますが、ここは、高麗第31代王、恭愍王と王妃魯国大長公主(ノグクテジャンコンジュ)の肖像画を祀っている祠堂です。朝鮮王朝最高の祠堂である宗廟に、高麗の王を祀っているという点が特徴的な空間です。
望廟楼(マンミョル)
<望廟楼(マンミョル) >
恭愍王神堂(コンミンワン シンダン)
<恭愍王神堂(コンミンワン シンダン) >
斎宮全景
<斎宮全景>
斎宮(チェグン)
斎宮は祭祀のために心身を清める場所として使用されていました。王と王世子(皇太子)がともに祭祀の準備をした場所という意味で、斎宮をまとめて御斎室(オジェシル)とも呼びました。庭を中心にとした北側に王が祭祀の準備をする御斎室、東側に王世子が祭祀の準備をする世子斎室(セジャジェシル)、西側に御沐浴庁(沐浴室・オモギョクチョン)があります。
正殿全景
<正殿全景>
正殿(チョンジョン)
正殿では、歴代王室の神主が祀られている場所です。朝鮮歴代王の中でも特に大きな功績を残した王と王妃の神主が19間に49体祀られています。正殿はその建築様式と美しさが称えられ、国宝第227号にも指定されています。正殿の敷地内には、正殿に祀られた歴代王の臣下たちの位牌を祀る功臣堂(コンシンダン)と、王家と宮廷、そして民の生活が安楽であるようにと神々に祭祀を奉げる七祀堂(チルサダン)、宗廟祭礼の時に音楽を担当する楽工たちが楽器を準備したり、練習場として使用した楽工庁(アッコンチョン)があります。
七祀堂(チルサダン)
<七祀堂(チルサダン) >
正殿奉安神主名
<正殿奉安神主名 >
正殿奉安神主
太祖(テジョ・初代)、太宗(テジョン・3代)、世宗(セジョン・4代)、世祖(セジョ・7代)、成宗(ソンジョン・9代)、中宗(チュンジョン・11代)、宣祖(ソンジョ・14代)、仁祖(インジョ・16代)、孝宗(ヒョジョン・17代)、顯宗(ヒョンジョン・18代)、肅宗(スクチョン・19代)、英祖(ヨンジョ・21代)、正祖(チョンジョ・22代)、純祖(スンジョ・23代)、文祖(ムンジョ、追尊)、憲宗(ホンジョン・24代)、哲宗(チョルジョン・25代)、高宗(コジョン・26代)、純宗(スンジョン・27代)及び、各王の王妃を含めた49体。
永寧殿全景
<永寧殿全景>
永寧殿(ヨンニョンジョン)
永寧殿は、王室神主を祀る別廟として1421年に朝鮮第2代王定宗の神主を祀ることを機に建てられました。また、それまで正殿に祀られていたいくつかの神主もこちらに移してきたそうです。永寧殿という名前には、「王家の先祖と子孫が共に永く平安であるように」という意味が込められています。正殿、永寧殿ともに故人の魂が自由に出入りできるようにと扉には隙間が開いていて、これにより室内に湿気が溜まらないとも言われています。
永寧殿の屋根瓦
<永寧殿の屋根瓦 >
隙間が開いた永寧殿の扉
<隙間が開いた永寧殿の扉 >
永寧殿奉安神主
朝鮮初代王太祖の4代先祖にあたる、穆祖(モクチョ)、翼祖(イクチョ)、度祖(トジョ)、垣祖(ファンジョ)と、定宗(チョンジョン・2代)、文宗(ムンジョン・5代)、端宗(タンジョン・6代)、徳宗(トクチョン・追尊)、睿宗(イェジョン・8代)、仁宗(インジョン・12代)、明宗(ミョンジョン・13代)、元宗(ウォンジョン・追尊)、景宗(キョンジョン・20代)、眞宗(チンジョン・追尊)、荘祖(チャンジョ・追尊)、懿愍皇太子(李垠イウン)及び、各王の王妃を含めた34体。

典祀庁(チョンサチョン)
典祀庁は、祭祀を行う時の供え物を用意する所で、普段は祭祀に使う食器や仏具を保管する場所として使用されました。典祀庁も1395年の宗廟創建時に一緒に造られましたが、文禄の役で焼失し、1608年に再建されました。典祀庁の東側には、祭祀の際にのみ使用された井戸「祭井」があります。


宗廟祭礼
宗廟祭礼は、儒教の礼法に合わせて「神を迎える、神を楽しませる、神を見送る」という順序に区分し、宗廟祭礼楽と一緒に行います。宗廟祭礼楽とは、楽器・歌・舞で亡くなった王の功績を称える音楽のことです。宗廟祭礼は、正殿では四季の最初の月の定められた日と大みそかを合わせた年に5回、永寧殿では春と秋の定められた日に2回、夜中に行われましたが、現在は毎年5月の第一日曜日の昼間に執り行われています。宗廟祭礼と宗廟祭礼楽は2001年に「人類の無形文化遺産の代表リスト」に登録されました。


最大級のスケールを誇る宗廟
宗廟は、その凛とした建築様式と壮大な伝統儀式で訪れる人々を魅了し、観光客のみならず地元市民たちからも愛されています。朝鮮半島の歴史と歴代王たちの息吹を感じつつ、心休まる空間として、パワースポットのような役割も果たしています。他の古宮のような華麗さには少々欠ける部分もありますが、それが宗廟の魅力。シンプルながらも、先祖への尊敬と配慮から成された建築様式は、他のどんな建物にも劣りません。また、園内には四季の変化を存分に感じられるよう、たくさんの木々が植えらていて、特に秋は紅葉が美しいです。ソウル市内では珍しく、池(中池塘・チュンジダン) にはカルガモの姿も見受けられます。ぜひ、観光の合間に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
中池塘(チュンジダン)
<中池塘(チュンジダン) >
宗廟の紅葉
<宗廟の紅葉 >
宗廟市民公園の様子
<宗廟市民公園の様子 >
世界遺産「宗廟」
<世界遺産「宗廟」 >
宗廟の詳細情報
店舗名 宗廟  (チョンミョ/종묘)
観光エリア 鍾路
住所 서울시 종로구 종로구 종로 157
ソウル特別市鍾路区鍾路157
地図を見る
アクセス 地下鉄1号線鍾路3街駅8番出口 徒歩5分
地下鉄3号線鍾路3街駅11番出口 徒歩5分
電話
02-765-0195(+82-2-765-0195)
FAX 02-3672-4332
ホームページ http://jm.cha.go.kr/
営業時間 3月~9月 09:00~18:00
10月~2月 09:00~17:30
* 土曜日以外はガイドによる時間観覧制(土曜日は自由観覧です)
* 入場券販売は観覧終了時間の1時間前まで
予約
定休日 火曜日
言語対応 一部スタッフ可
入場料 大人(19歳以上)1,000ウォン
学生(7歳~18歳)500ウォン
※統合観覧券10,000ウォン
景福宮、昌徳宮(後苑含む)、昌慶宮、徳寿宮、宗廟に入場可能
有効期間:購入日から1カ月以内
その他設備 バリアフリー施設:車椅子用トイレ、車椅子・乳母車貸与、スロープ
備考 一部日本語表示あり、日本語パンフレットあり、日本語解説無料
記事公開日 2012-11-05  最終更新日 2012-11-05
※上記の観光地情報は予告なく変更される場合があります。




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